男性のがんで罹患数が最も多い前立腺がんは、近年、待機療法、手術療法、放射線治療という局所治療法、 ホルモン治療、薬物治療という全身治療法、いずれも大きく進歩し、それに伴い選択肢も広がっています。今回の市民公開講座では、エキスパートにより各治療法の最新情報をわかりやすく紹介するとともに、個々の患者に合った治療法の選択の在り方についても皆様方と一緒に考えます。
男性のがんで罹患数が最も多い前立腺がんは、患者さんの状態、病気の状態に応じて、待機療法、手術療法、放射線治療、ホルモン治療等、多くの治療選択肢があります。今回の市民公開講座では、前立腺がんの基礎知識から、治療法選択にあたって考えるべき点、各治療の最新情報をわかりやすく紹介し、前立腺がんの診断と治療のあり方について皆様方と一緒に考えたいと思います。
京都大学大学院医学研究科
放射線腫瘍学 画像応用治療学
教授
溝脇 尚志 氏
放射線治療は、手術療法、薬物療法(抗がん剤治療やホルモン療法など)とともに、がん治療における三本柱の一つであり、根治目的のみならず延命や症状緩和目的にも幅広く用いられています。前立腺がんは、特に放射線治療の適応となることが多い疾患で、さまざまな放射線治療法が用いられます。本講演では、放射線治療の概要とともに、転移のない前立腺癌に対して根治目的で実施される各種放射線治療方法の概要とそれぞれの長所・短所を解説いたします。前立腺がんに対する治療選択の一助となれば幸いです。
東京慈恵会医科大学
泌尿器料 教授
木村 高弘 氏
前立腺がんは進行がんでも比較的ゆるやかに進行します。ホルモン療法を中心とした全身治療の効果は高く、遠隔転移があっても5年生存率は50%を超えています。近年より早期から強力なホルモン療法や抗がん剤を使用することで、生存期間が延長することが報告され、治療は大きく変化しています。一方で、強力な治療による副作用やQOLの問題なども注目されており、いかに長く、そしてよりよく生きるかが重要視されています。本講演では進行性前立腺がんの最新治療とそれにまつわる諸問題についてお話します。
NPO法人 腺友倶楽部
理事長
武内 務 氏
男前立腺がんの治療法は、泌尿器科、放射線治療科など複数の診療科にまたがり、多岐に渡っています。話を聞く先生によって意見が異なることも珍しくありません。しかし、患者がまず接するのは、多くの場合一人の泌尿器科医です。偏りのない治療情報を広く知り、比較検討の上、ご自身の希望や生活信条にふさわしい治療にたどり着くにはどうすれば良いのでしょうか。前立腺がんの治療歴20年、前立腺がん患者会代表として10年、多くの患者さんと接してきた経験から、ベストと思える方法をお伝えしたいと思います。
平岡 眞寛 氏
小西 郁生 氏
小林 恭氏 氏
溝脇 尚志 氏
木村 高弘 氏
武内 務 氏
京都大学名誉教授
宇治徳洲会病院顧問
平岡 眞寛 氏
男性で最も罹りやすいがんとなった前立腺がんですが、進行がゆっくりしていること、治療法の進歩が著しいこと、治療の選択肢が複数あるという特徴があります。
本市民講座では、まず、各治療法が如何に進歩したか最新情報をエキスパートにより紹介していただきます。次いで、体験者でもある患者団体代表者より、自分に合った治療法を選択することの重要性とそのコツについてお話しいただきます。最後に、前立腺がんにどう向き合ったらいいか皆様とご一緒に考えたいと思います。
京都大学名誉教授
国立病院機構京都医療センター
名誉院長
小西 郁生 氏
がんは二人に一人が必ず罹る病気ですが、医学・医療の進歩によって今や三人に二人は治ります。また完全に治らなくても、さまざまなケアによって「がんと生きる」ことが可能となりました。前立腺がんは、近年、その発症頻度が急上昇しており、男性が最も罹りやすいがんといえます。私自身も非常に気にしており、腫瘍マーカーのPSAを毎年チェックしています。大多数はゆっくり進行することから様々の管理法・治療法が提案されており、今回の市民公開講座では、その最新情報を視聴者の皆さまと一緒に学びたいと思います。
フリーアナウンサー
植月 百枝 氏